2014年8月11日月曜日

日本人の心と仏教

日本を出てみて強く感じることの一つとして、宗教を持たない民族はマイノリティーということである。それくらいに人は皆、宗教というものを持つ。

日本で宗教という話をすると、「インチキくさい」「オカルト的なもの」を見られがちであるが(特に若い人の間では)、僕もつい最近までそう考える人の一人であった。日本の外に出て生活をすると、嫌でも「自分とは誰か」「日本人とは何か」を考える機会を得ることができる。なぜならここアメリカでは多民族国家とはいえ、アジア人はマイノリティーだし、こと日本人となるとさらにマイノリティーである。つまりminority of minorityな存在だ。(彼らからすると日本人もその他アジア人も一緒という考えではあるが。)日本では経験できない感覚を味わうことになる。日本では僕らがマジョリティーだからだ。

僕自身の基本的なそして自分の根底にある価値観はは親の教えから受け継いでいる。
「他人に迷惑をかけない」「人の嫌がることをしない」「感謝の気持ちを忘れない」「物を粗末にしない」「分不相応を知る」等々、恐らく多くの日本人が受け継がれているはずの基本的な思想である。こんなことは普段考えないのであるが、これらをじっくり考えてみると、実は仏教という思想に基づいていることが分かってきた。僕はなぜかこの宗教だけはアレルギー反応を起こして避けてきた話題なのであるが、それ故に自分の無知と愚かさに恥をこの年代で知ることになる。

以下自分が仏教に関する読んだ本で強く共感したことを下記に纏めてみた。

=============================
①自分とはこれまで自分が思ったこと、過去に考えたことの集合体である。
②ネガティブな行動や言葉(ここでは人を見下したり馬鹿にすること)は必ず自分のもとへ戻ってくる。
③ネガティブな思考はいずれ負のパワーとなり自分の苦しみを増す。
④成果に執着しないこと。(もっというと全てに執着しないこと)
           ⑤価値とは全て相対的である。善悪は存在しない。それ故に寛容であるべきである。
           ⑥人は生きているだけで周りに迷惑をかけている。それ故に誰一人偉そうにして生きることはできない。
           ⑦因果応報
           ⑧中庸

参照:図解で分かる!ブッダの考え方
   超訳 ブッダの言葉
==================================

こうやって見ると、実践できているかは別としてしっくりくるものばかりで且つ全てが小さい時に人から聞いたり教えられたりした覚えがあるものばかりではないか。そして日々忙殺されている人や、多くの営利だけを求めて活動している企業が忘れていることばかりなようにも見えてくる。自分自身も分かっているつもりでもできていないものもある。だがこれらは本来の日本人の根幹を成すものだと思える。

全てが多様化する時代、そしてこのボーダーレスしてきている世界では、物事が複雑に絡み合う。その時に何かを基準にして判断する根幹なしでは正しい決断をすることが苦しい時代になってくるのではないか。だからこそ、日本人の本来の思想を理解して、見つめ直すことが問われてくるのではないかと思う。

強い国より気品ある国に  (稲盛和夫氏の経営者ブログ)

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO75309070W4A800C1000000/?dg=1

この記事でいう日本人の良さを再確認するために、仏教を学ぶことは意義あることだと思う。

2014年8月10日日曜日

全ては誰かが決めたルールであることを忘れてはいけない

最近すごく考えることは、世の中の大多数の人間は誰かが決めたことに沿って生きていて、価値観も自分の親や身近にいる周りの人(例えば会社の同僚や上司、学生時代の友人等)によってのみ形成されているだけである。

しかも日本は不運にも、島国という物理的な要因や同一民族社会そして、日本語とその傾向が強くなりやすい場所ということは言うまでもない。それが故に、人と少し異なったことを発言したり行動したりすると社会不適合者のような存在にもなってしまうこともある。

ちょっとぶっ飛んだことを言うと、
例えば神が存在する、UFOや宇宙人を信じる、大企業に勤めることが成功、起業の方がサラリーマンよりもいい等々、挙げればきりがないのだが、どれも正解はないのだと最近考える。それでも僕たちは、何かその価値観が正しいと信じて生きていくしかないのだが、(その価値観を形成して生きたほうが生きやすいというのもある気がする)最も重要なことは、「一旦全てを受け入れてできる限り客観的に見てみる、経験してみる。そして完全に頭ごなしに否定しない」ということである種の固定観念を崩して面白い生き方ができるのではないかと思う。いい意味でもっと物事を疑ってかかっていくということなのかもしれない。

コペルニクスの地動説なんかは頻繁に使われる例えであるが、所詮現在常識で考えられていることが、もしかしたら50年後には全く別の見方で捉えられている可能性も十二分にある。極端な話し、もしかしたら「毎日の運動は実は健康面にはそこまで大きな影響は与えない」なんてこともあり得るのである。













まあこんなことを言うと全てがそうなってしまうので、要はもっと自分のこと、社会のこと、経済のことを客観視する癖を強化していきたいと益々考えている次第である。

2014年8月8日金曜日

なぜすき家の労働環境問題が浮き彫りになったのか?

すき家が色々問題になっているようだ。
深夜での一人勤務体制、人手不足、ボイコットからくる店舗閉店などである。
どうやらその根底には労働環境が問題のようである。


どうして急にこうなったものかとふと数字を使って考えてみたくなった。
なぜなら僕の記憶が正しければ、すき家は成功していたはずだったからだ。

ということで片っ端から直近の決算書を読んでみた。他社と比較もしたいので、
ゼンショー(すき家)に加えて吉野家、松屋も見てみることにした。

こちらが2013年度の各社決算書から抜粋して纏めたものであり、また数値は(億)である。これがまた意外と面白い。



粗利率は外食業界の中でも高いほうなのではないだろうか。外食産業などの居酒屋で30%くらいなので、現に売上高総利益率が60%近いということはかなり安くおさえられているのではないかと感じる。(ゼンショーは多角的にレストランを経営していて、その数値の合算という点で安易に説明ができないが、話を単純化するため、ここではそのことについては触れない。)

本業の儲けは営業利益で見るのだが、(経常利益は本業以外の収益や損失も含まれるためアメリカでは原則重視しない指標である。)正直この牛丼をメインとした外食産業の営業利益率の低さには驚いたが、ゼンショーも本業でも利益は出せている。それでもこの営業利益率の低さからはオペレーションの見直しは3社とも急務のように感じる。原材料が数パーセント高騰しただけでこの営業利益が吹っ飛ぶからである。


それではこのような各社似たような状況の中で、
なぜゼンショーだけが、深夜営業での一人勤務や労働環境の悪化という問題が生じたのだろうか?上のグラフから僕が気なった数値が下記3つである。
  • 営業CF
  • ROA
  • 店舗数(牛丼店のみ)

3社の当期純利益はそこまで大きな差がないにも関わらず、ゼンショーの営業CFだけが極めて大きな数値である。営業キャッシュフローが大きいのはいいことなのであるが、他社と比較した場合のこの乖離が少し気になった。なぜなら営業キャッシューフローには減価償却費も含まれるからだ。つまりこのゼンショーの営業CFが大きいのは巨額の設備投資からきているものと考えられる。現に牛丼店のみの店舗数は他社と比較しても圧倒的に多く800〜900店舗多い1984店舗となっている(2014年8月時点)。

ROA(事業に投下されている資産がどれだけ利益を生み出しているかを見る指標であり、収益性と効率性が分かる指標でもある)を見てみると、ゼンショーが最も低く0.4%となっている。2008年に吉野家を抜いてその五年後には約2倍の店舗数である。ゼンショーは急激に店舗数を増やしてきた結果、恐らく他社と比較して不採算店舗を増やしすぎてしまったと考えられる。つまりそれらの店舗数を維持するためには深夜営業にプラス労働力の削減(つまり従業員一人にする)をしないと事業の採算が合わなくなってきたのが今回の要因だと考えられる。

下記グラフは以下のページを参照
(http://www.garbagenews.net/archives/1983397.html)

結果として、2013年度の各社のFCF(フリーキャッシュフロー)は次のとおりである。


やはり最初に感じていたことは当たっていた。フリーキャッシュフローが赤字なのである。ファイナンスではこのフリーキャッシュフローが最も重要な指標でこれがマイナスだと事業継続が危ないということになる。


あくまで予想であるが、
フリーキャッシュフローをプラスにするべく今後店舗数の大幅な減少を余儀なくされるだろう。なぜなら従業員に過剰労働を強いる選択肢を今失ったからである。



2014年8月7日木曜日

カメラ市場?ブルーオーション?頭まだまだガチガチ

今回、MBAの授業の一貫でstrategyとして成功した企業と失敗した企業の比較という
課題に携わりアメリカ人のteammateから"GoPro"という多目的カメラ事業をしている会社を教えてもらいこの会社の分析をする機会を得ることができた。(特にとりわけ新しい製品でもないのだが、今までこの存在を知らなかった。)

そして、この製品の内容を聞いた瞬間に無性に欲しくなり、自分でも使ってみて「どうやってこの企業が成功できたのか?」「なぜ成功できたのか?」を自分なりに考えてみたいと思ったので、メモとして書いておこうと思う。(なので途中でupdateする可能性もある。)

まずはじめに、最も興味深いのはこの会社の製品がカメラであるということである。今までそこまで深く考えたことなかったが、よっぽど写真に対する興味がない限り、(例えばもっと綺麗に撮りたい!などの願望)基本的には携帯電話のカメラで事足りてしまうだろう。なのでカメラ事業は基本的には衰退というイメージである。現に2013年度のキャノンのカメラ事業は前年対比で1.7%減となっている。さらに2014年度は前年対比で8.6%減を予測している。(参照1)http://www.canon.co.jp/ir/conf2013/conf2013j.pdf)

さらに一歩突っ込んでこの市場がどのような状況なのかをマイケルポーターの競争の戦略で紹介されてあるフレームワーク「5 forces」を使って具体的に見ていきたい。(ここでは単純化するため各高低のみの記載とする。)

A. 市場規模とデジタルカメラ業界

①グローバルカメラ市場動向
file:///Users/koyamashinya/Desktop/%E2%80%A2%20Digital%20cameras%20%20shipments%20by%20region%201999-2013%20%20%20Statistic.html

世界市場動向は2010年の約1億2千万台の出荷台数をピークに、そのたった3年後の2013 年にはその半分の6,200万出荷台数へ激減している状況ある。

②5forces


①【Power of suppliers】Low 
どの家電製品でも扱っており販売優位性はほとんどない。
②【Power of buyers】High
数ヶ月毎に新製品がでており、選択肢が幅広いため顧客の力は強い。
③【Rivalry】High
Canon, Sony, 富士フィルム、ニコン、パナソニック、リコー、サムソンなどのいわゆるGiant companyで真っ赤かに染まっている。
④【Alternatives】 High 
AppleのiPhoneやサムソンのGalaxyなどのSmartphones
⑤Threat of New Entrants】Low
設備投資の大きさや、市場も成熟しきっているため、新規参入の脅威は低いと見られる。


B. GoPro.Incのstrategyについて
マイケルポーターの競争の戦略によれば、企業の戦略は大きく2パターンしかない。
一つはコストリーダーシップ、そしてもう一つは差別化である。
GoPro.Incは新参者なので現実的にはコストリーダーシップは不可能となる。コストを劇的に下げるにはスケールを大きくしなければならないからだ。なので新参者にこの方法はリスクが大きすぎる。残るは差別化だ。ではどう差別化するのか。

それは極めてシンプルで「より良い製品やサービス(例:機能なのかアフターサービスの徹底なのか)で価格を上げる」か「uniqueなアクセスを作り出すか」である。

「より良い製品やサービス」とは定義がかなり曖昧であるし、そもそもそれは顧客が’決めることだと考えているので、ここはフレームワークに従って価格帯が他社より高いか低いかで判断することにした。下記決算資料抜粋からGoProの平均単価は約29,000円と想定する。($1=102円換算)(アクセサリー価格も含む)

尚競合の商品数はかなりのボリュームに富んでいるため、
ここは価格.comの上位売れ筋10位の平均値(2014.8.5時点)で算出することにした。
そうすると競合他社製品の平均価格は約38,000円となる。

この会社の商品の平均単価と競合の平均単価を比較しても競合の価格が高いため、前者の戦略(価格をあげて質をあげる)ではないこと想定することにする。









となると、残りはユニークアクセスである。
このユニークなアクセスとはSmartphoneとの連動である。
つまり本来であればThereat of alternativesと考えられる存在と競合ではなく、共存したことである。GoProカメラで撮った動画や写真などはソーシャルメデイアや専用アプリなどへ投稿でき共有することができる。

【成功のポイント1】脅威と考えられるものと共存できるか考える。

もう一つのユニークなアクセスとは、「競争の土俵をズラした」ことである。
どういうことか?この会社のCEOはこの会社の製品サービスについてこう語っている。

"In consumers’ minds, GoPro had no competition. Like Twitter TWTR , Facebook FB or Google GOOG , GoPro marketed its technology as a different, new idea, unlike anything else on the market. And it worked."

つまり、競合はデジタルカメラではないのである。
このサービスは唯一無二の存在で競合は存在しないと語っている。
例えばGoogleやTwitter, Facebookのように。

僕はここに本当の成功の要因があるのだと思う。
つまり恐らくこのCEOはこのビジネスをこう定義したにちがいない。

「どうやってカメラ市場を拡大していくか?」から

「経験や体験をどのように(カメラを使って)拡大していくか」ということである。

【成功のポイント2】発想の転換をしてみる

この違いは圧倒的に異なる。
日本の製造業は「他社よりも優れた製品を」戦略で進んでいる。
なのでそれ以上の発想が出てこないのである。この結果は携帯電話、テレビ、家電、パソコンの末路を見れば一目瞭然だろう。

一方、Goproの場合人とは違った経験や体験をシェアするためにカメラを買うことになる。僕自身、このような動機でこのカメラを購入するに至った。

例えば、Goproではサーフィンをしてる最中の動画や、スノーボードをしている時の動画を当事者目線で撮ることができるし、動画を見る側もその視点で見ることによって楽しむことができるのである。

纏めると一見するとカメラ市場に見えるが、実はソーシャルトレンドを利用した、
サービスとなる。あくまでこのカメラはユーザーの経験を保存してアップロードするまでの道具であることが分かる。

以上の点が成功要因と考えられるのであるが、
ブルーオーシャン戦略を学んだ以上以下のフレームワークも応用できるのではということも少し触れておきたいと思う。


















赤線がGoPro.、青線が他のデジタルカメラを示している。また横軸にデジタルカメラ購入時の購買要因、縦軸にそのレベルを表している(このレベルに関しては主観的であるがそこまで大きく現実と乖離していないハズ。。。である。)(レベルが高いほど良く尚価格に関してはレベルが高いイコール安いと仮定する。)

このグラフから推測できることは、
徹底した無駄の削除、すなわちコストカットと多目的用途カメラという差別化を同時に実現したことも考えられる。が、コストの部分に関しては詳細を調べることができなかったので、今回は補足的なものとして紹介した。

このように見ていくと、既に多くの市場が既に成熟しているものの、
見方次第ではまだまだ新しい市場を開拓できるものなんだと今回のGoProを通じて痛感させられた。


(参照文献)references 
1. http://www.canon.co.jp/ir/conf2013/conf2013j.pdf
2.http://fortune.com/2014/06/06/why-gopro-is-beyond-daredevil-cameras/
3.http://www.forbes.com/sites/ryanmac/2012/12/20/foxconn-buys-stake-in-camera-maker-gopro-turning-founder-into-a-billionaire/